遺産分割とは,相続財産について相続人の誰がどの財産を受け取るかを決める手続きをいいます。
相続人が複数いる場合には,亡くなった人(被相続人)の遺産を誰にどのように分けるかについて,相続人全員で話し合って決める必要があります。この,相続財産について,誰が,どの財産を取得するかについて話し合うことを遺産分割協議といいます。
遺産分割は,被相続人の遺言書によって,遺産分割の方法が指定されていれば,遺言書に従って遺産を分割します。
遺言書がない場合は,相続人全員による協議で,遺産を分割します。遺産分割協議は,相続人全員が参加しなければならず,一部の相続人を排除した協議は無効です。相続人全員による遺産分割協議が成立したら,協議の内容をまとめた,遺産分割協議書を作成します。遺産分割協議書には,相続人全員の署名,捺印が必要です。
相続人間での協議がまとまらないときは,家庭裁判所で,調停,審判による分割を行う必要があります。
調停分割は,家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てます。調停で当事者間の合意が成立し,調停委員が合意の内容を相当と認めた場合,合意の内容をまとめた書面(調停調書)が作成され,手続が終了となります。
遺産分割調停でも話し合いがまとまらなかったときは,家庭裁判所に審判を申立てることになります。審判では,裁判官がそれまでの調停の結果をふまえ,当事者に公平かつ適切に相続財産を分配できるよう審判を行います。